パースの博物館にアレ
私は博物館や美術館の類が大好きです。展示物は勿論ですが、その説明文も足の疲れが許す限り、じっくり読みたいタイプです。オーストラリアの博物館は内容が充実している上、普通は無料なので、たまらないですよ(笑)。
今回からパースに戻りまして、アボリジニのコーナーがある西オーストラリア博物館をご紹介します。フリーマントルやロットネスト島で断片的に出会ったアボリジニの歴史を、ここでまとまった形で知ることができました。しかし、優れた情報があったのに、それを十分に全て理解する力量が私にはなかったのですが。
西オーストラリア博物館はパース駅の近く、ショッピング街とは反対側の、図書館や美術館が建ち並ぶ一画にあります。ここは、コアラやカンガルー等の剥製や鉱物などが展示されている、博物学(natural history)のおもちゃ箱といった感じです。また、吹き抜けを囲むテラスに本棚が並べられている場所がありまして、そこがお洒落で好きです。
さて、アボリジニのコーナーに参りましょう。そこは中央玄関を入って右、建物の奥、階段を上った二階にあります。
アボリジニのコーナーに入り、展示物を見始め、ほどなくすれば、おそらく大抵の日本人が、「こりゃなんだ?!」と思う展示品と出会えます。それは『ツチノコ』、らしきものです!下の写真をご覧下さい。そう、見えませんか?(笑)説明によると、これは「Five carved lizard(トカゲ)」という彫像。アボリジニの言葉で「Djalubardju」。英語訳に自信は無いですが、まとめてみました。はじめに、こんな一句が添えられています。
『The country was too hot for them in desert- they wanted to come back to river country』
(砂漠の暑さは耐え難かった。彼等は川に帰りたかった)
この彫り物の作者は、Paddy Roeというブルーム出身のNyigina(アボリジニの部族名?)で、このトカゲはブルータンリザード。「Dreaming」である「Bugarrigarra」の物語を語る時に使ったそうです。それは『The Lizard people』が、グレートサンディ砂漠(ブルームの東にある砂漠)から、Loomaへと旅した物語。私は特徴的なアボリジニアートよりも、彼等の神話といえるDreamingの方に強い興味があるので、この物語の詳細をぼちぼち調べればなあと思っています。
ちなみに、ブルータンリザードは、その名の通り舌が青いトカゲです。オーストラリアの住宅街にもいて、アデレードで私も見ました。案外、可愛いです。勿論手足があるトカゲですが、なんで、この彫像には手足がないんでしょうかね。また、これはキンバリー地方の物語ですが、キンバリーといえば、真珠がらみで日本人との交流があった所ですよね。ツチノコのルーツの一つにアボリジニがあるんじゃないかとか、勝手に妄想すると楽しいのですが。
それにしても、外国の博物館で、日本と似ているものを見かけると、何だか親近感がわきませんか?