? 2007年07月 | メイン

2007年08月01日

彼等の財産

 続きまして左手では、Reconciliation Weekのイベントの一つが開催。題して『Ways of Belonging』。副題、『Reconciliation and the Symbolic Value of the Public Space』として、1960年代から現在まで、アデレードを中心とする一帯に『築かれた』、アボリジニ達の文化や歴史を反映したもの、絵画や壁画、記念碑などを一堂に集めた写真展が行われていました。たとえば、アデレードの州立図書館の玄関前には、アボリジニの言葉で『ようこそ』と書かれた石碑が床に埋め込まれています。また、絵画では、地面の中に地層のように埋められたアボリジニの伝統文化の上に、工場などの西洋文化が築かれている絵が印象的でした。『Ways of Belonging』をどう訳したら、適当でしょうか。Belongingは所有物、財産。公共スペースに築かれた彼等を象徴する壁画や記念碑は、彼等の民族、文化の財産であります。

 私がこの写真展で最も興味をひいた壁画をご紹介します。Tandanyaは写真撮影ができなかったので、わざわざ現場に足を運んでまで撮影してきた壁画ですよ(笑)!それぐらい興味をもったので、是非ともご紹介したい。
 ポートアデレードは、アデレード市内から電車に乗って30分ほどの所にある港町。この街にあるPort Adelaide community Health Serviceの玄関口に飾られた壁画です。

community Health Service
虹の大蛇と南十字星 ?

 『Rainbow Serpent』。虹の大蛇。南十字星と虹の大蛇のイメージを組み合わせた壁画です。
 私は『虹の大蛇』のイメージを、この写真展で初めて知りました。写真展では、この壁画以外にも、虹の大蛇を描いたものが数多く紹介されていました。それが、アボリジニにとって非常に重要で大切なイメージであることを、後々、私は知りました。
 壁画に添えられた文章を日本語訳してみます(いつも通り、誤訳していたら申し訳ないです)。

『虹の大蛇は、多くの先住民の文化で共有されてきた、大地創造を説明するイメージである。
そして、南十字星は全ての文化で共有されるイメージであり、同じように用いられている。
この二つのイメージは、未来への私達の希望を表している。
私達の希望とは、癒し、相互理解、そして、共に手と手を取り合うこと』

 『Rainbow Serpent』は、私にとっても大切なイメージです。何故なら、このイメージを知ることがなければ、私はこのブログを書くことは決してありませんでした。そして、このブログのタイトルである『アボリジニの貝殻拾い』と、虹と貝殻の関係、数奇な偶然の一致を後に私は知るのですが、それはまた別の機会に。

?