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ラウンドハウス

? フリーマントルは、電車でパースのシティから30分ほどで着く、明るい港町です。週末にはマーケットが開かれ、シティ近郊の代表的観光地として観光客が多く訪れます。実は、ここの観光名所には、ちょっと変わった特徴があります。旧フリーマントル刑務所を筆頭に、同じく刑務所のラウンドハウスや、患者を強制収容した過去を持つ元療養所のフリーマントル博物館など。なかなか、おどろおどろしい名所の多いフリーマントルには、夜、これらの名所を回るゴーストツアーもあるそうです。

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? 私が訪れたラウンドハウスは、西オーストラリア州最古の公共建造物で、白人による入植が始まった初期、1831年にスワン川植民地の最初の刑務所として建てられました。名前が示す通り『ほぼ』円筒形の建物は、敷地面積はオーストラリアの一軒家程度と思ったより小さく、中庭に井戸があり、大人二、三人が寝られればやっとの狭さの独房がそれを囲んでいます。
? 光り輝く青空の下、こぢんまりとした白い建物は、一見すれば悲惨な過去を全く感じさせません。しかし、ここはアボリジニにとって特別な場所であります。実際に刑の執行も行われた、この刑務所は、後に、ロットネスト島に連行されるアボリジニの一時拘置所として使われました。そして監禁されている間に、多くのアボリジニが亡くなりました。
 ラウンドハウスは海岸の高台の上にあります。そして、ラウンドハウスを出てすぐの所に、インド洋の大海原を遙かに望める見晴台がありまして、とても眺めが良いです。私がここを訪れたそもそもの理由も、この眺めを楽しむためでした。
 何故、こんな良い場所に刑務所があるのだろうか?ふと疑問に思いました。刑務所は人里離れて、ひっそりあるイメージがありましたが、ここは海の景色が素晴らしい上に、街中といってもいい場所にあります。そこで、下手くそな英語でラウンドハウスのスタッフに尋ねてみました。答えは、海の側で搬送がしやすい。また、街の目立つ場所に刑務所があることに、どうやら意味がある(?)ようでした。リスニングが苦手なので間違っているかもしれませんが、刑務所の持つ意味が、どうやら私の想像と違っているような気がしました。
? ラウンドハウスがある高台の下には、美しい砂浜があります。明るい日差しの中、一組の親子が、そのビーチで遊んでいました。とても和やかな光景でした。この輝く砂浜を、狭いラウンドハウスに閉じこめられた囚人達は望めたのでしょうか。小さな中庭から、高い壁に囲まれた青空を見上げていたのでしょうか。ビーチでくつろぎながら、ぼんやり考えました。
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